TOEIC(トーイック:TEST OF ENGLISH FOR INTERNATIONAL COMMUNICATION)は、英語を母国語としない学習者の、英語のトータルな運用能力を試す試験です。
日本でもっとも人気のある、英語の資格試験の一つですよね。
全国約80都市に試験会場が設けられ、年間10回開催されています。もうひとつの有名な試験である「英検」は年間3回ですから、受験のチャンスはかなり多いです。
企業での評価も高く、「海外勤務の条件は700点以上」なんて会社も多くあります。皆さんの受験動機もそんなところにあるのかもせれませんね。
実は、TOEICには3種類ある!
TOEICといっても、実は3種類のテストがあります。
「TOEIC Listening &Reading Test(L&R)」・・・リスニング約45分+リーディング75分
「TOEIC Speaking &Writing Tests (S&W)」・・・スピーキング約20分+ライティング約60分
「TOEIC Speaking Tests (ST)」・・・スピーキング約20分
(他にも初学者~中級者向けのテスト「TOEIC Bridge L&R」と「TOEIC Bridge S&W」があります)
ご覧のようにメインは3種類がありますが、一般的にTOEICといえば「TOEIC L&R」です。受験者も圧倒的に多いです。
この記事でもTOEIC L&Rテストについて紹介します。
TOEICは全員が同じ試験を受ける
英検は受ける「級」ごとに試験内容、つまり試験の難易度が異なります。受験者はそれぞれのレベルに応じた試験を受けるわけです。
しかし、TOEICは全員がまったく同じ試験を受けます。大学受験で例えると、4流大学レベルの人もトップクラスレベルの人も、机を並べて同じ問題にチャレンジするわけです。
そのため、点数が低い人などはかなり辛い時間を過ごすことになるんですね〜。
問題数も200問とすごく多いので、「この問題はあとで確認しよう」などという余裕はありません。わからなければ、可能性の高いものをマークして、すぐ切り替えて次の問題にうつるという瞬発力が勝負になります。
僕自身(800点台です)も、すべての問題にしっかり答えられたということはほとんどありません。
テストの結果は得点で示される
TOEICの結果は合否ではなく、得点(スコア)で表示されます。これも英検とは違うところで、自分の腕試しに受けたいという人が多いのも合否だけではなく、得点で実力が測れるというところが大きいのではないかと思っています。
TOEICの最低スコアは10点、最高スコアは990点。合否だけでなく、800点、700点と結果が見えやすいのもTOEICのいい所ですね。
TOEICの試験内容は、海外でのビジネスと日常生活
大学入試試験や英検とTOEICが大きく違うのは、テストに登場するのが「ビジネスシーン」「日常のシーン」が多いということ。
長文のテーマとしては、ビジネスメール、仕事上の電話でのやりとり、企業の方針発表、レストランの広告など、海外でビジネスマンとして生活をしていると出会うような内容が多く扱われます。逆にいえば、難関大学の受験問題のような哲学的、アカデミックな内容はあまり出ない印象です。
そのため、ボキャブラリーもビジネスよりのものが多く必要になります。
例えば、TOEICの頻出語で「warehouse」という単語をご存知でしょうか?
「倉庫」という意味なんですが、大学受験向けの単語集には載ってないことが多いです。
ですから、高得点を目指す人はTOEIC向けの単語をカバーしていく必要があります。
そのほか、最近ではSNSでのやりとりなどが出題されるなど、流行が反映されやすいのもTOEICの特徴です。
TOEIC L&Rの中身とは!?
では詳しくTOEIC L&Rテストの内容をセクションごとに見てみましょう。
TOEICの問題形式はリスニングとリーディングの2セクション
前にも書いた通り、TOEICはリスニングセクションとリーディングセクションの2つから構成されています。
制限時間は2時間。途中に休憩はありません。
リスニングが45分、リーディングが75分、それぞれ100問ずつ、合計200問を解くことになります。
問題もセクション前の解説もすべて英語で行われます。
模擬テストをやってみるとわかりますが、リーディングに入ってからの時間配分がとても大事になります。
リスニングセクションの内容
リスニングセクションはPart 1からPart 4の4パートで構成されます。
英語は、センター試験のようにICプレーヤーが配布されるのではなく、会場の施設で使われているスピーカーから流れてきます。
ですので、会場によって聞き取りやすさに差が出てくることもあろうかと思います。
リスニングセクションの内訳は次の通りです。
Part 1 写真描写問題 6問
最初はTOEIC名物(?)の写真描写問題からです。
設問ごとに写真が1枚提示されます。たいていが、外国の街角や外国人が何かやってる写真です。
そこへ英語のスピーチが4つ流れ、写真の内容を正しく描写しているものを回答するという内容です。
ちょっとしたコツがあるので、ぜひCD付きの問題集などで事前対策をしておきましょう。
Part 2 応答問題 25問
1つの質問または発言と、3つの応答がそれぞれ1度流れます。質問・発言に対して正しく答えているものを選ぶという内容です。
発言と応答なので、正しい会話が成立しているものを選ぶのですが、会話上の決まり文句やちょっとずらした返答など、知らないとちょっと戸惑うこともあるパートです。
たとえば、「明日の会議は何時から?」という質問への正答が「よく知らない」だったりします。
「午後3時から」みたいな、ストレートな答はないと思っておいたほうがいいでしょう。
Part 3 会話問題 39問
会話が1度だけ流れ、そのあとに設問が続きます。問題用紙には設問と、4つの選択肢が印刷されていて、その中から最も適切なものを選びます。
最初に英語のダイレクション(説明)が流れますので、その間に問題に目を通しておくのがコツです。
そして、1問を回答し終わったら、すぐさま次の設問の問題に目を通す。この先まわり戦術をテンポよくこなせるかどうかがカギになります。
Part4 説明文問題 30問
アナウンスや留守電のメッセージなど、一人がしゃべる内容が1度だけ流れ、そのあとに設問が続きます。
問題用紙には設問と、4つの選択肢が印刷されていて、その中から最も適切なものを選びます。
こちらもPART 3と同じく、設問の方に先に目を通す戦法が有効です。
例えば、こんな設問があるとします。
- What is the main topic of the speech?
- What does the woman imply when she says, "And it was their first project"?
- What will most likely happen next?
ETS刊「公式TOEIC Listening & Reading問題集5」のサンプル問題より
これらを先に目を通しておくことで、「女性がなんかプロジェクトのことについてしゃべるのだな」「職場が舞台だな」「会話の結果何かが起こるのだな」ぐらいのことはわかりますよね。
それだけの予備知識があれば、音声が流れてもその世界に入っていきやすくなるんですね。
リーディングセクションの内容
リスニングセクションが終わると、いよいよ後半のリーディングセクションです。本番では、みなさんガサガサと問題用紙を開き問題に取り組んでいきます。
リーディングセクションはPart5からPart7の3パートで構成されます。内訳は次のとおりです。
Part5 短文穴埋め問題 30問
文法、語法を問う問題です。4つの選択肢から選びます。大学入試などでもよくある形式ですね。
Part6 長文穴埋め問題 16問
長文が示され、その文の中の穴埋めをする問題です。解答は4択。
文法・語法・ボキャブラリーを問う穴埋めや、意味が正しくとれているかなどを問います。
Part7 長文読解問題 54問
Eメール、広告、SNSといった、さまざまな形式の長文が示され、ひたすら読んで解いて行くタイプの問題です。解答は4択。文法・語法・ボキャブラリーを問う穴埋めや、意味が正しくとれているかなどを問います。
けっこう長い文章がどんどん出てきます。ちなみに、900点以下の人はPart7が最後までやりとげられない人がほとんどです。
わからない問題にあまりこだわらず、どんどん先に進むことがポイントです。
勉強法1:まず、本番形式の問題をやってみる

TOEICテストを開発しているETSが発行している公式問題集。2回分の模擬テストが掲載されています。リスニングセクション用のCDも付属。
TOEICの概要が理解できたら、勉強の準備を始めましょう。
なんといっても、重要なのが本番と同じ形式の問題集をまず時間を測りながらやってみること。
とにかく量が多いので、ほとんどの場合、途中で時間切れになります。
それぞれのパートの問題の形式に慣れるという意味もあります。
ここで気を付ける必要があるのが、TOEICは過去問の問題集がないということ。
本番の受験時も、問題の用紙は持ち帰らせてくれません。
ですので、予想問題集をやることになるのですが・・・
おすすめは、『TOEIC公式問題集』です。なんといっても、TOEICの問題を作っているETS(Educational Testing Service)が制作した問題集で、より精度が高いと思われます。
これをまずやってみて、採点をしておしまい・・・というわけではありません。
リスニング問題は何度も何度も聞いて、リーディングセクションは単語の確認、文法事項の確認もして、教材として活用するようにします。
ちなみに、スタディサプリの関先生はディクテーション(耳で聞いた英文を書く練習)を勧めています。長文はさすがに長すぎますが、PART 1、PART 2などはなんどもディクテーションをやりましょう。
おすすめ勉強法2:「スタディサプリEnglish TOEIC対策コース」

スタディサプリ ENGLISH TOEIC対策コースのトップ画面。学習時間や回数などが表示されます。
リクルートが出している「スタディサプリ」というサービスをご存知でしょうか?
中学生向けや高校生向けが有名なのですが、TOEIC対策のコースもあるんです。
スマートフォンのアプリで勉強ができるシリーズで、リスニング問題のあるTOEIC対策としてすごく優秀です。
各セクションごとに、「概要と学習法の動画」「例題」「演習」があり、一歩一歩具体的な例を踏まえながら勉強を進めていくことができます。
私も無料お試し版で主要コンテンツを少しずつチェックしたあと、これはいいとすぐに申込みしました。
私が思う『スタディサプリTOEIC対策コース』のよかった点
まず、第一にあげたいのは解説動画に登場する、関先生の解説です。
いかがでしょう。わかりやすいですよね。このように、各セクションごとのポイントや効果的な勉強法について、ツボをついた解説をしてくれるんです。
例えばリスニングセクションPART 3の会話問題。
聞き取りのコツは「自分ごととしてリスニングすること」と先生はいいます。
歯医者からの電話があって、予約時間の変更が申し入れられたという内容なら「なんだよ面倒だな!」と心の中で突っ込むのだそうです。
そうすることで、より印象深く会話が記憶に残るということです。
「へぇー」と思いましたね。確かに効果がありそう。
他にも、長年の講師歴があって、本も多数書いておられる先生独自のTOEIC対策が、いろいろ教えてもらえます。これだけでも、1ヶ月3000円前後は絶対お得です。
特に、TOEICを初めて受ける人や、スクールに通わず独学で勉強したい人には、めちゃくちゃおすすめできるアプリです。
7日間無料お試しもありますので、スマホを持ってる人ならぜひチェックしてみてください。